株式会社極東精機

薄物や難削材への対応力と独自の手研ぎ技術を強みに、技術伝承と持続可能な経営を目指す家業三代目の挑戦
会社名
株式会社極東精機
事業内容
難削材の精密加工・特殊バルブ等精密部品製造業
代表者
専務取締役 小中 正光
所在地
大阪府大東市氷野3-16-13

会社紹介

極東精機は、汎用旋盤を駆使した金属加工業として、半導体装置や高圧バルブに使用されるバルブ、バルブシートなどの精密部品製造を手掛ける企業です。創業は専務の祖父の代にさかのぼり、現在は約20名の従業員と共に、城東区を拠点に精密加工の技術を磨き続けています。

創業当初は扇風機のシャフト製造からスタートし、その後、時代の変化とともに製造品目も変遷。大きな転機となったのはフジキン社との取引開始によるステンレス加工への挑戦でした。これを機に徐々に得意分野を広げ、現在では高度な精密部品製造のスペシャリストへと、現在の事業基盤を築いています。

会社の強み

極東精機の最大の強みは、既製品の刃物に頼らない独自の「手研ぎ技術」にあります。一般的な旋盤加工業では市販の刃物を使用するのが主流ですが、同社では品物に合わせて刃物そのものを手作業で研ぎ上げ、最適な形状に仕上げることが可能です。この技術により、極端に薄い製品や特殊な形状を持つ「クセのある製品」の加工が可能となり、他社では対応が難しい精密加工を実現しています。

この手研ぎ技術は継承することが難しく、近年では市販の刃物を活用する流れもあります。それでも、若手への技術伝承に力を入れており、必ず習得してもらいたいという強い思いがあります。極東精機では若手社員への技術伝承に力を入れ、この匠の技を守り続けています。

将来のビジョン・経営理念

極東精機では他社には真似のできない独自技術を磨き上げ、次世代へとつなげていくことを目指しています。自社の強みを生かした仕事を着実にこなし、若手へ技術を伝えていくことが最優先の目標です。

専務自身は、もともと会社を大きくすることを考えていませんでしたが、現状維持を続けるには今以上の努力が必要だと痛感しています。大きな規模拡大を目指すというよりも、従業員が安定した生活を送れる会社づくりを第一に考え、そのために必要な設備投資や技術革新に取り組んでいます。

「現状維持をするためには今以上の努力が必要」という信念のもと、会社の持続的な成長と従業員の幸福を両立させることを目指しています。

特に力を入れていること

近年特に注力しているのが、新規営業活動の強化です。専務自ら外部に出向き、ものづくりワールドなどの展示会への出展やSNSを活用した情報発信など、これまで行ってこなかった会社のアピール活動に積極的に取り組んでいます。

また、取引先の柱を増やすことを目標に、約2年前から本格的に営業活動を開始しました。見積もり依頼や外部との接点が着実に増えてきており、徐々にその成果が現れ始めています。

技術面では、手研ぎ技術の伝承が課題である一方で、最新技術の導入が課題です。極東精機では、手研ぎ技術という伝統を守りながらも、第3工場では最新設備を導入するという挑戦にも取り組んでいます。

社員のモチベーションを維持することも大切です。長年同じ仕事を続けることで「もんもんとした状態」になることもあるため、社団法人などで学んだことを社内に持ち帰り、月に1回全社員が集まる場で共有するようにしています。外部で得た刺激や「極東精機はすごい」と言われた経験を社内に持ち帰り、社員のモチベーション向上に努めています。伝統技術を守りながらも新しい風を取り入れる、そのバランス感覚こそが老舗町工場の生き残りの秘訣なのかもしれません。

専務の紹介

現在専務を務める後継者は、大学時代までサッカーに没頭していました。当初は別の仕事に就くことも考えていましたが、会社の若手社員が退職するという事態を受け、大学4年の11月から急遽アルバイトとして会社に入り、そのまま就職することになりました。

もともと継ぐ意志はあったものの、一度は異なる業界で経験を積みたいという気持ちもあり、葛藤があったといいます。しかし、家業の状況を鑑みて入社を決断。現在は専務として外部営業や社内改革をこなし、次期社長としての準備を進めています。「仕事は大変だけど楽しい」と語る姿からは、家業への誇りと責任感が伝わってきます。

休日の過ごし方

休日は家の用事が多く、子どもの送迎など家族との時間を大切にしています。かつてはサッカー一筋だった専務ですが、最近は仕事仲間とゴルフを楽しむことも。しかし、「自分だけが好きなことをしていてはいけない」と考え、仕事と家庭の両立を図りながら、限られた休日を有意義に過ごしています。

お気に入りのお店

お気に入りの飲食店としてあげるのは、高石市の「ごんや」や北新地の「CURURU」など。先輩が経営するお店に足を運ぶことが多いとのことです。また、四天王寺・上本町エリアにある「焼肉 ふじ山」も最近のお気に入りだとか。

ランチスポットとしては「南修軒」を挙げ、大掃除の日など特別な機会には社員全員で早めに仕事を切り上げて訪れることを楽しみにしているそうです。普段、社員の皆さんは社内の食堂でお弁当を食べることが多いとのことですが、こうした特別な機会を大切にする姿勢からは、社員との絆を大切にする社風が伝わってきます。

社員インタビュー

齋藤章彦さん

中学校からの友人であった小中専務に誘われて極東精機に入社して18年。もともと建築やトラック運転手として働いていた齋藤さんは、25歳で転機を迎え、今では会社の中堅として活躍しています。

「私たちが作るのは店頭に並ぶ製品ではないので、『何を作っているの?』と聞かれても説明しづらいんです」と笑う齋藤さん。しかし、ゼロから部品を作り上げ、それが最終的にどのように使われるのかが分かったときの喜びが、この仕事の醍醐味だと語ります。

長年の経験から、齋藤さんは若手社員への指導も担当。一通り業務に慣れてきたら、手研ぎの練習を開始しますが、「その前に機械の操作や計測作業など、この仕事の全体を理解するまでに時間がかかるんです。」その段階にいくまでの修行時間を乗り越えなければならないそうです。

仕事への姿勢について聞くと、「いい意味で適当かもしれません」と笑顔で答える齋藤さん。「ずっと真剣にやりすぎたらしんどいので、要所要所でちゃんとやる」というバランスを大切にし、若いスタッフにも声を掛けるようにしています。このバランス感覚が、長く働き続けるコツなのかもしれません。

溝渕雄一郎さん

整骨院から製造業へと異色の経歴を持つ溝渕さんは、入社して5年目を迎えました。「若いうちにいろんな業種を経験してみたい」という思いから資格を取得し整骨院で働いていましたが、「両方経験してみて、自分はものづくりの方があっている」と気づいたそうです。周囲からは「せっかく資格をとったのにもったいない」と言われましたが、自分としては悔いはなかったと言います。

入社当初は機械の脱着作業からスタートし、徐々にステップアップ。自称「大雑把」な性格をカバーするため、「正確さ」を大切にして取り組んでいます。「今までわからなかったことを先輩に聞いて、自分でもできるようになってくるとうれしい。少しのことでも会社の役に立てていると思うとやりがいを感じます」と仕事への熱意を滲ませます。

これからは手研ぎ技術の習得に挑戦する予定です。「同じ角度の刃でも用途によって変えていかなければならず、自分でも考えながらやる必要がある。難しい反面、できた時の達成感は大きいと思います」と溝渕さん。「不安と楽しみが両方ある」と前向きな姿勢を見せます。「最終的には自分にしかできないような仕事ができるようになりたい」「刃物を研げるようになり、次に入ってくる人たちにちゃんと教えられるような人材になりたい」と夢を語ってくれました。

休日はランニングに励み、30kmのマラソン大会にも挑戦。ランニングのきっかけは、健康維持と、「思う存分食べるため」だそうで、実際に12kgの減量に成功したとのこと。「会社だけでなく、妻や愛犬のためにも頑張りたい」と笑顔で語る言葉からは、溝渕さんの誠実さが感じられました。

堀真規子さん

製造業経験者として入社して3年の堀さん。他社での経験があったものの、「ここは計測が細かく、チェック項目も多い」と極東精機での仕事の難しさを感じたそうです。それでも毎日前向きに取り組む姿勢が印象的です。

「働いている皆さんのおかげで続いています。環境には恵まれていて、みんながすごくサポートしてくれる。失敗した時も『自分もやったんですよ、大丈夫ですよ』と声をかけてくれるので、それに励まされて今まで来ました」と職場の温かい雰囲気を語ります。仕事で大切にしていることは「難しいと思ったことも進んでやる」こと。「失敗は怖いけど、そこに怯むことなくチャレンジしよう」という姿勢で日々の業務に取り組んでいます。

将来については「求められる限りは頑張りたい」という堀さん。「体力的にはまだ大丈夫。この年齢で拾ってもらえた恩返しとして、頑張っていきたい」という言葉には誠実さが感じられます。

休日は食べ歩きや御朱印めぐり、ボーカロイドのライブに娘さんと出かけることが楽しみだとか。「動ける時に出ていかないと!」休日もアクティブな堀さん。仕事と私生活の充実ぶりが伝わってきました。

寺島琴絵さん

入社してまもなく1年を迎える寺島さん。衣料品の縫製工場での経験から全く異なる金属加工の世界に飛び込みました。父親が鋳物工場を経営していたこともあり、工場への抵抗はなかったものの、「年齢的に新しいことに挑戦するのは不安だった」と振り返ります。

週3日の時短勤務なので仕事に慣れるまでの不安もありました。それでも「社員の方々が優しく教えてくれる」環境のおかげで、日々成長を実感。「品物の種類によって測るところやチェックするところが違い、加工の度合いが異なるので、その境界線を判断するのが難しい時もある」と仕事の奥深さを語ります。

仕事で特に大切にしているのは「加工のチェック」です。「見過ごすと不良品を作り続けることになるので、その点は特に気をつけています」と、品質管理への意識の高さがうかがえます。

今の目標はきちんと計測ができるようになること。「加工中にスピーディーに計測できるようになりたい」という具体的な目標を持ち、日々技術向上に努めています。

休日は友人とのランチや、縫い物、お菓子作りなどものづくりを楽しんでいるそうです。仕事でも私生活でも「作る」ことへの情熱を持ち続ける寺島さんの姿勢が印象的です。

取材・執筆・編集/JMSO広報部

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