活動紹介:ライフワークとしての教育支援プロジェクト「Bright Genius」
「Bright Genius(ブライトジーニアス)」は、代表の澤田茂久さんが個人で運営する教育支援プロジェクトです。澤田さんは本業のIT企業でエンジニアとしてフルタイムで働きながら、利益を目的としない「ライフワーク」として、教育に特化したシステム開発と提供を行っています。
その中心となるのが、自身が構築した学習プラットフォーム「XedPlex(ゼドプレックス)」です。個々の生徒に合わせたスケジュールを管理するシステムをはじめ、経営シミュレーションゲーム「BizFrontier(ビズフロンティア)」や、空間認識力を鍛えるSTEAM系パズルなど、多彩なコンテンツを展開しています。対象は小学生から高校生まで幅広く、14年前の立ち上げ以来、現場の声を反映させながら進化を続けています。
活動の強み、思い:子どもの人生に「分岐点」を打ち込む
澤田さんが活動の軸に置いているのは、「子どもの人生に分岐点を打ち込みたい」という強い願いです。
その根底にあるのは、「マイナスをゼロに戻すよりも、ゼロをプラスにしたい」という独自の哲学。かつて検事を目指していた澤田さんは、犯罪を裁く仕事よりも、子どもの可能性を広げる教育の道に、自分らしい面白さを見出しました。
しかし、教育の現場に身を置く中で「目の前の生徒しか見られない」という物理的な限界に直面します。より広く、多くの生徒に自身の教育を届けるための解決策として辿り着いたのが、ITとシステムという手段でした。
最大の強みは、現役エンジニアの技術力にAIを掛け合わせた、『大手の10倍』と自負する驚異的な開発スピードです。個別指導管理システムを3日で、経営シミュレーションも1週間で完成させるなど、その機動力で現場のニーズに即応しています。
また、教育に関するカスタマイズ費用は一切受け取らないスタンスを一貫して貫き、報酬もすべて生徒の教材費に充てています。
特に力を入れていること、課題:幼少期から「地頭」を鍛える挑戦
現在、特に注力しているのが、低年齢層への対応拡充です。高校生を指導する中で、吸収力や回転の速さといった「地頭」を鍛えるには、幼少期からの取り組みが不可欠だと痛感したことがきっかけでした。XedPlexでは現在、4つの機能を軸に展開しています。
学童送迎管理

QRコードによる登下校管理から保護者連絡・請求管理まで一元化。学童保育や習い事教室の運営をサポートします。
学習管理

AIが個別の学習計画を提案し、教材管理・タスク管理・理解度確認まで対応。生徒一人ひとりに最適化された学習環境を提供します。
STEAM Labo

プログラミング・数学・実験の3つのゲームアプリで、遊びながらプログラミング的思考・数学的思考・科学的思考を自然に鍛えます。
BizFrontier

初期資金100万円で製造業の会社を立ち上げ、仕入れ・製造・販売を通じてリアルな経営を体験できる経営シミュレーションゲームです。価格は需給に応じてリアルタイムで変動し、放漫経営をすれば3日で倒産することも。失敗と学びを繰り返しながら、経済の仕組みを体で覚えていきます。
課題は、この仕組みをいかに全国へ届けるかという広報面にあります。Instagramを中心に地道に情報発信していますが、「広告費をかけるくらいなら子どもに使いたい」という思いもあり、大規模な広告展開に踏み切れないジレンマを抱えています。AIを積極活用することで生徒からの質問の約94%を自動対応するなど、一人でも回る仕組みを整えながら、できる範囲でのスケールを模索中です。
将来のビジョン:自走できる環境と、変わらない「人の関わり」
将来的には、生徒がシステム一つで学習管理から問題演習まで自走できる環境を整えることが目標です。その一方で、「教育にはどこまでいっても人間が関わるべき」という信念も大切にしており、面談や直接指導は今後も形を変えずに続けていく方針です。
「子どもの人生に関わることを、純粋に楽しみながら続けたい」。この想いこそが、澤田さんの活動を突き動かす揺るぎない原動力となっています。事業化や組織化よりも、自分の目の届く範囲で、一人ひとりの子どもの成長に貢献することを何より優先しています。
教育に生きる、エンジニアの素顔
澤田さんのキャリアは、テレビドラマ『HERO』への憧れから始まりました。検事を志した法学部時代、塾のアルバイトで出会った教育の面白さに引き込まれ、人生を大きく方向転換します。
自身の理想とする教育システムを実現するため、プログラミングを独学で習得。自ら構築したシステムを携えてITの世界へと飛び込み、エンジニアとしてのキャリアを切り拓いてきたその歩みが、現在の活動を支える土台となっています。
最大のやりがいは、ユーザーから届く生の声です。卒業した生徒や保護者からの感謝の言葉、経営シミュレーションで倒産を経験しながらも必死に戦略を練る子どもの姿。そんな瞬間に触れるたびに「作っていてよかった」と実感するそうです。
フルタイムのエンジニアとして働きながら、夜9時に子どもを寝かしつけてからシステム開発に取り掛かり、休日も家族サービスの合間に個別指導の授業をこなす毎日。それでも「忙しいと思ってやってない」と笑いながら語る姿からは、仕事も家族も教育も、すべてを全力で楽しんでいる澤田さんらしさが伝わってきます。
寄せられる要望にすべて応え、目の前の課題を一つずつ解決していく。そんな現在のスタイルこそが、14年間の歩みの中で今が最も理想に近い形だといいます。澤田さんの挑戦は、これからも子どもたちの可能性を広げ、より多くの笑顔を育んでいくはずです。
