会社紹介

株式会社関西工業は、2000年2月に岸野託也社長が26歳の若さで創業した、精密切削加工のスペシャリスト企業です。半導体製造部品の切削をはじめ、自動車・電車の部品、作業機械の部品など多岐にわたる製品を手がけています。車椅子昇降装置のレールや電車のクランクケースのボルトなど、私たちの生活を支えるさまざまな部品の製造を担っています。
創業当初は河南町の30坪ほどの倉庫からスタートし、3年後には富田林の企業団地へ移転。現在は約20名の従業員と共に、ものづくりの現場を支え続けています。社長自らが現場経験を持ち、18歳から7年間工場で働いた経験を活かして立ち上げた会社だからこそ、技術力と現場力に裏打ちされた確かな製品を提供し続けています。
会社の強み・思い

関西工業の最大の強みは、難しい単品から量産品まで幅広く対応できる技術力と柔軟性です。特に「難削材」と呼ばれるアルミ、真鍮、銅、チタンなど、加工が難しいとされる素材でも高い精度で切削加工ができます。そして、高い技術力を持ちながらも低コストでの提供を実現している点が、多くの取引先から信頼を集める理由となっています。
創業から四半世紀、一貫して「確かな技術」と「誠実な対応」を大切にしてきました。現場を知り尽くした社長のリーダーシップのもと、若い世代の従業員たちも着実に技術を磨いています。平均年齢30歳前後の若さあふれる職場で、熟練の技と新しい発想が融合したものづくりを追求しています。
特に力を入れていること・現在の課題

近年特に力を入れているのが新規開拓です。昨年は社長と長男で積極的に営業活動を行い、5社ほどの新規取引先を獲得しました。今年はこれらの取引先との関係を深めながら、一つひとつの製品の価値と価格を向上させていくことを目標としています。
一方、課題として挙げるのは、社内ルールの整備です。社長自身が立ち上げた会社であり、長男・次男も重要な役割を担っているファミリービジネスであるため、どうしても甘さが出てしまう部分があるそうです。また、人材確保の面でも苦労しており、特に若い日本人技術者の定着率向上と、外国人従業員とのコミュニケーションの充実が課題となっています。
将来のビジョン


関西工業の将来ビジョンとして岸野社長が語るのは、次世代への円滑なバトンタッチです。「2代目で潰してほしくない」という思いから、現在ある土地・建物のローンをできる限り減らし、息子たちが経営を引き継ぐ際には財務的な負担を軽減した状態で譲りたいと考えています。
「お金に苦労すると事業が伸びない」という経験則から、次世代が思い切った挑戦ができる環境を整えることを大切にしています。長男は営業や検査を担当し、次男は工場全体の管理を行うなど、着実に世代交代の準備を進めています。
代表の紹介

岸野社長は15歳でのアルバイトから製造業に携わり、37年以上のキャリアを持つベテランです。現場での作業に携わっていた頃は、難しい加工に成功した時や、納品した製品を褒められた時の喜びがやりがいでした。現在は経営者として会社全体を見る立場となり、楽しいことばかりではないと語る岸野社長。しかし、売上向上や借入金の返済などの成果に「よく頑張ったな!」と達成感が得られると語ります。
一方で、社長業の苦労として挙げるのは「お金のことと人のこと」。特に近年は景気の変動や人材確保の難しさに直面しています。従業員の約半数はベトナム人など外国人スタッフで、言葉や文化の違いによるコミュニケーションの難しさも課題となっています。
社長が大切にしていること
岸野社長の座右の銘は「人を裏切らない」。長年ものづくりの世界で培ってきた人とのつながりを大切にしています。
ただ、ビジネス環境の変化を感じる中で、「義理で仕事をもらえる時代ではなくなってきた」という現実を受け止める姿勢は冷静です。かつては無理難題を言われても何とか応えようとしてきましたが、現在は若い世代が合理的な判断で仕事を選別する姿勢も尊重しています。大手企業との取引では、人の心よりもコンピューターによる機械的な判断が増えている現状も理解しつつ、それでも「人と人との信頼関係」を基盤としたビジネスを大切にしています。
休日の過ごし方
休日の楽しみはゴルフと休息。月に2回ほど、取引先や友人とゴルフを楽しんでいます。ゴルフをしない日は、日頃の疲れを癒すためにゆっくりと休息を取ることを大切にしています。子どもたちも成人し独立したため、家族との時間よりも自分自身のリフレッシュを優先する生活スタイルとなっているそうです。
仕事終わりには、ミナミにあるバーに週に3〜4回訪れ、ダーツを楽しむのが日課です。意外にも、バーではお酒を飲まずにダーツに集中するのだとか。知り合いが働いていた縁で通い始めたこのバーは、今や岸野社長のストレス解消と気分転換の大切な場所となっています。
製造業あるある
「ダーツの矢が折れて取れなくなった」「細いネックレスが絡まった」など、日常生活で起こる小さなトラブルに遭遇すると、ついつい解決したくなるのが製造業人の性。岸野社長も「しつこい」と言われるほど、細かい作業に集中するのが得意です。壊れたものを見ると分解したくなる衝動や、小さな部品を組み立てる作業に没頭する姿は、まさに職人気質の表れかもしれません。