株式会社マツムラ/株式会社KKE

困難な特殊溶接や精密加工を「必ずできる」に変える信念。柔軟な対応力と国際色豊かなチームで顧客に応え続ける
写真右:株式会社マツムラ 代表取締役 松村 和也
会社名
株式会社マツムラ/株式会社KKE
事業内容
特殊溶接・精密加工
代表者
代表取締役 松村 和也
所在地
本社:大阪市中央区南本町3-6-6 船場エコービル4F
柏原工場:大阪府柏原市円明町1000-129

会社紹介

株式会社マツムラは、三代にわたって溶接技術を磨き上げてきた職人家系の会社です。創業者の時代から家族で築き上げた技術を礎に、現在は130名ほどの従業員を抱える企業へと成長しました。

創業当初はステライト(硬質合金)の溶接からスタートし、現在は半導体製造装置に使用されるバルブの製作や、トヨタのレーシングチームのエンジン部品など、一般の目には触れることが少ない、しかし産業の要となる精密な溶接技術を駆使した製品を手掛けています。

「他で断られた案件」「技術的に難しい溶接」を得意とし、溶接職人の高齢化や技術継承の難しさという業界課題の中で、若い技術者を積極的に育成。37〜38歳という比較的若い平均年齢と、ベトナムやインドネシアなど多様な国籍の技術者が活躍する国際色豊かな環境が特徴です。

会社の強み・思い

マツムラの最大の強みは、他社が断るような困難な溶接を実現する技術力です。「他社ができないなら、どこもできない。どこかができるなら、うちも絶対できる」という信念のもと、お客様の課題に向き合います。

お客様の課題に対して「できない」と返答したことはなく、「溶けてくっつくのなら必ずできる」という信念のもと、常に解決策を模索し形にします。固定概念にとらわれないフレキシブルな発想と挑戦する姿勢が、マツムラの強みであり、思い。「絶対に応える」「できないとは返さない」「何としても形にする」という姿勢が信頼を生み、これまでお取引が途絶えた企業はほとんどありません。お客様の困りごとに真摯に向き合い、溶接の枠を超えた提案や支援を惜しまない姿勢から生まれる信頼関係の証です。

力を入れていること、課題に感じていること

お客様のニーズに応えるため、新たな挑戦も積極的に行っています。2023年10月頃から、お客様の要請に応じて岩手県や北海道へ溶接技術者を派遣するなど、製品供給だけでなく人材面でも支援を始めました。特に北海道のラピダスプロジェクトなど、国家的な半導体製造事業にも技術者を派遣し、日本のものづくりを支えています。

一方、社長が課題に感じているのは、会社の成長に組織体制が追いついていないことです。20年で社員数が10倍以上に成長する中、工場長以外の役職や部署が明確に設定されていません。社員のモチベーション向上や責任の明確化のためにも、組織構造の整備が今後の課題となっています。

将来のビジョン、経営理念

マツムラの経営理念は、「顧客の困りごとに応え続ける企業であること」です。売上高などの数値目標ではなく、お客様の課題解決を最優先に考え、それが結果として企業の成長につながるという考え方を大切にしています。

固定概念にとらわれない柔軟な思考「融通無碍(ゆうずうむげ)」を座右の銘とし、会社の規模や形にこだわらず、その時々の社会やお客様のニーズに応じた最適な姿を追求していきます。物づくりの楽しさを大切にしながら、常に顧客視点で価値を提供し続けることがマツムラのビジョンです。

社長の紹介

おじいさんの代から溶接に関わる職人家系で 1階が工場、2階が住まい という環境で育った松村社長。高校・大学ではアメフトに没頭し、本格的に会社を継ぐ決意をしたのは大学時代でした。 忙しい中でも懸命に部活をサポートしてくれた親に恩を感じ、「恩返しがしたい」との思いで家業に入社しました。

当初は日本人が少なく、外国人の職人と共に働きながら技術を磨いてきましたが、「このままでは上の先輩を抜けない」「親の七光だと思われたくない」と奮起。アメフト選手として培った体力と精神力を基盤に、朝5時半に家を出て深夜0時に帰宅するという生活を10年以上続けました。努力の結果、気づけば職人としても一目置かれる存在に。28歳の時に工場長となり、その後は実質的に会社全体の経営を担当するようになります。お客様との交渉や見積もり作成など、当初は経験のなかった業務も独学で習得し、数々の修羅場を乗り越えてきたという松村社長。技術と経営の両面で会社を支え、当時約10人だった会社を130人規模にまで成長させてきました。

社長が大切にしていること

社長が最も大切にしているのは「人への興味」と「与える精神」です。取引先や社員一人ひとりが「何に情熱を燃やすのか」「何で幸せを感じるのか」を常に考え、その人にとってプラスになることを見つけ出すことに喜びを感じています。

「人間は、テイカー(自分の利益だけを考える人)、ギバー(与える人)、マッチャー(見返りを考えて動く人)の3種類しかいない」という考えのもと、自らは「ギバー」としての生き方を選び、それを社員にも伝えています。この価値観は幼い頃から父親の姿を見て培われたもので、「応援してもらえる人間になるためには、奪う側ではなく与える側になれ」という哲学を持っています。

休日の過ごし方

ゴルフやマリンスポーツ、スノーボードなどアクティブに過ごす一方で、休日でも社員や入社希望者の面接を行うなど、完全にオフの状態になることは少ないのが現場です。子どもたちとの公園での時間も、端で面接を行いながら過ごすこともありました。

「仕事が楽しいので遊びと似ている」と語るように、プライベートと仕事の境界線が曖昧で、休日であっても顧客のビジネスについて考えたり、相談に応じたりすることが多いようです。常に誰かの役に立つことを考え続ける、そんな姿勢が社長の日常に根付いています。

社長のいきつけのお店、ランチスポット

溶接の技を極める社長が足を運ぶのは、同じく職人気質が光るお店。ボクシングのプロが営む「れだん」や、カウンターに季節のおばんざいが並ぶ「花勢」、社団の忘年会でも利用する中華料理店「聚香園」などが愛用のお店です。ランチには、地下鉄メトロ本町駅の近くにあるスパイスカレーのお店「百華香辛食堂」がおすすめです。

製造業あるある

溶接のプロとして街を歩けば、あらゆる場所に施された溶接の良し悪しが目についてしまうのは職業病。「汚い溶接」を見つけると思わず気になってしまいます。また、あらゆるものの原価を考えてしまうのも、製造業ならではの習慣だそうです。匠の目は、日常のあらゆる場面で輝いています。

社員紹介

株式会社KKE 松村賢司 取締役技術部長

「当初は溶接の仕事を想像していましたが、いつの間にか機械加工の世界に引き込まれていました」と語る松村部長。現在は90台以上もの高性能加工機械を駆使する現場のトップとして、技術指導から顧客対応、見積もり作成まで幅広く担当しています。

特に新製品開発時の試行錯誤が技術部長の腕の見せ所。「あーでもない、こーでもない。こうやったらどうなる?こう作れるんじゃないか?」と考えているときが一番楽しいと職人の醍醐味を語ります。

多国籍なチームをまとめる立場として、コミュニケーションの工夫も欠かせません。片言の日本語や英語、ポケトークを駆使して、時には社内の通訳スタッフの力も借りながら、技術指導、相談事などを一手に担っています。

最も大切にしているのは、兄弟二人で受け継いだ会社の「存続と安定」です。「この業界は波が激しいですが、従業員とその家族のためにも、安定した職場環境を提供したい」そのためには常に前進し続けることが大切と日々、試行錯誤しています。

プライベートでは中学生と小学生の3人の子どものお父さん。子どもたちの部活や野球、受験をサポートしながら、最近ではゴルフを楽しむ時間も増えてきました。

技術と人をつなぐ架け橋として、日々奮闘する松村部長の姿勢から、会社の「人」を大切にする文化が伝わってきます。

井月秀弥さん

大学卒業後、縁あって当社に入社し、早3年が経過。「最初は知らないことばかりで大変でしたが、今は一通りの業務をこなせるようになりました」と語る井月さん。

自分で図面を見て、プログラムを作成し、実際に動かして製品が完成した時の喜びが、ものづくりの達成感を実感できる瞬間です。

「様々な国籍のスタッフとの協働にはコミュニケーションの難しさもありますが、納期を守ることを何よりも大切にしています」と誠実な姿勢も忘れません。

将来の目標は「社内のすべての機械を使いこなせるようになること」。技術者としての成長を常に意識しています。

杉野敦さん

入社から1年半、溶接の技術を日々磨く杉野さん。テレアポの仕事を5年ほど経験しましたが、「将来を考えて、自分のためになる仕事を」と手に職をつけることを決意しました

大学時代はアメフトに打ち込み、そのご縁でマツムラとの出会いがありました。「図面から実際の形にする過程は、常に頭を使い考え続ける作業。失敗も多いですが、成功した時の達成感は格別です」と杉野さん。「今までの仕事と違う『筋肉』を使っているような感覚です」と、ものづくりの奥深さを実感しています。

休日は、趣味のプラモデル作りに没頭し、社会人アメフトチームでの活動も楽しんでいます。ランチタイムは体型維持のためコンビニサラダを選ぶことも。「でも、マテリアの牛すじカレーと日替わりカレーはおすすめです!」と笑顔で教えてくださいました。

将来は「どんな商材が来ても『杉野に任せたらなんとかなる』と思ってもらえる存在になりたい」と熱い思いを語ります。

工場長 二階堂エメルソンさん

17歳から職人の道を歩み始め、入社して19年。溶接のプロフェッショナルとして腕を磨き続けています。

「ゼロから形を作り上げる過程が何よりの喜び。頭の中で描いた通りの美しい溶接ができた時は、この仕事をやっていて良かったと心から思います」と二階堂さん。若手の指導も担当し、「部下のサポートは時に難しいですが、チームの成長につながる大切な役割」と責任感を持って取り組んでいます。

休日は家族との時間を大切にし、穏やかなひとときを過ごすことでリフレッシュ。長年のハードワークを支える大切な時間です。

「いつか自分の工場を持つことが夢。入社した時からその目標に向かって技術を磨いてきました」と、将来への情熱を持っています。

長年培った技術と経験で、マツムラの溶接技術の要として活躍中です。

(取材・執筆・編集/JMSO広報部)

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