有限会社有恒精機商会

0.01mmの精度が求められる現場に寄り添い、最適な工具選定と知識で支える機械工具のプロフェッショナルチーム
写真左:有限会社有恒精機商会 代表取締役 有本 武史
会社名
有限会社有恒精機商会
事業内容
機械工具の総合商社
代表者
有本 武史
所在地
大阪市西淀川区 千舟2-4-13

会社紹介

有限会社有恒精機商会は、金属加工業界を支える機械工具総合商社です。創業の地である現在の場所で、金属加工に不可欠な切削工具を中心に事業を展開しています。金属加工の世界では、0.01mm単位という人間の目では確認できないほどの精密さが求められます。同社では、その精密加工を可能にする「刃物」や加工機械、測定工具など幅広い製品を取り扱い、金属加工業の技術向上を支えています。

創業当初は、工場で使用されるハンマーやのこぎり、軍手などの一般的な工具を幅広く取り扱っていましたが、時代の流れとともに、より専門性の高い切削工具へと徐々に軸足を移していきました。事業拡大に伴い、2000年に有限会社有恒精機商会として法人化。現在は大阪本社のほか、茨城県つくば市、兵庫県姫路市に営業所を構え、14名の従業員とともに事業を展開しています。

会社の強み・思い

有恒精機商会の最大の強みは、海外の高品質な切削工具を取り扱い、その価値をお客様に理解していただくための提案力にあります。金属加工の世界では、100分の1mm単位の精度が求められるため、高性能な工具の選定が重要です。海外製の工具は国内製品に比べて高価ですが、その分、高寿命であったり、作業効率が1.5〜2倍になったりと、実際の現場で大きな価値を生み出します。

「私たちはお客様に単に商品を購入してもらうだけでなく、その購入を通じて満足していただき、事業の成長にも貢献したいと考えています」と有本社長は語ります。お客様が真のプロフェッショナルとして機械を操作する一方で、同社はその裏側で、理論的な計算や現場での経験を通じた知識の蓄積により、最適な工具の選定をサポートします。

新入社員には2週間から1ヶ月の研修期間を設け、社長自らが作成した教科書を使用して機械加工の基礎から学ぶ機会を提供しています。その後は2ヶ月程度の現場同行を通じて実践経験を積みます。業界のことを理解するには最低でも3年かかるという考えのもと、長期的な人材育成に取り組んでいます。

特に力を入れていること、課題に感じていること

特に力を入れているのは、新規顧客の開拓です。金属加工業界は工場数が限られており、それに対して工具供給会社は大阪だけでも約200社が存在するという厳しい市場環境です。そうした中で、既存顧客へのきめ細かなサービス提供と並行して、飛び込み営業やチラシ作成、テレアポなど新規顧客の獲得に向けた活動を継続しています。

また、ECサイトの構築にも注力しています。遠方のお客様に定期的に訪問することが難しい中、インターネットを通じて全国の顧客、細かいフォローが行き届かずお困りのお客様にもサービスを提供できる体制づくりを進めています。

一方で、インターネットの普及により誰でも簡単に工具を購入できる時代になる中、人を介して工具を購入する意義をいかに見出してもらうかが業界全体の課題だと感じています。また、組織の拡大に伴い、明確なルール作りや組織化の必要性も高まっており、昭和の営業マンの常識と令和の若手社員の常識の良いところを取り入れた独自のルール作りに取り組んでいます。

将来のビジョン、経営理念

目標は、47都道府県すべてをカバーできる組織を作ることです。切削工具業界においては、人と人とのやりとりを通じた価値提供が不可欠だと考えています。お客様自身が工具選びに時間を費やすよりも、その時間を本業の製造に充てることで、より多くの製品を生産し、売上を伸ばすことができます。

「工具選びは私たちにお任せください」という姿勢で全国の金属加工業者をサポートし、「あなたが来てくれて助かっている」と言ってもらえるような存在になること。それが有恒精機商会の目指す将来像であり、社会貢献の形です。

社長の紹介

社長は幼少期より将来的には家業を引き継ぐことを促されていたものの、業界に入るまでは機械を見たことも触れたこともありませんでした。しかし、実際に現場を見て学ぶうちに、金属加工の奥深さを理解し、今では業界を牽引する立場に立っています。

仕事の最大のやりがいは、お客様からの「ありがとう」という言葉。お客様が初めて挑戦する加工において、適切な工具を選定し、無事に加工が成功した時の喜びの言葉が、日々の仕事の原動力となっています。また、自分自身で設定した目標を達成したときの達成感や、社員との交流の時間も大切にしています。

一方で、商品の良さを伝えることの難しさや、価格競争の激しい市場環境に苦労を感じています。有恒精機商会が提案した商品をライバル会社がより安い価格で提供しようとするケースも少なくありません。そうした中で、単なる価格競争ではなく、いかに商品の魅力を伝え、お客様との信頼関係を構築するかが重要だと考えています。

社長が大切にしていること「水であり続ける」

有本社長が大切にしているのは「水であり続ける」という考え方です。水は無色透明、無味無臭であり、雨が天(お客様)から降り注ぎ、山を流れ、やがて川(自社)へと辿り着くように、決して逆行することなく、上から下へと流れる自然の摂理に従った商売を心がけています。

清らかな水には色も臭いも味もありません。つまり、お客様にとって同社との取引は、まるで喉が渇いた時に蛇口から水を注ぎ潤すように、ストレスがなく自然なものでありたいと考えています。

「水が澱んで濁りだすと、お客様はその水を選ばなくなります。お客様との商売においても自分を主張するのではなく、お客様の要求に真摯に向き合うことで、ビジネスの流れを正常に保つことができるのです」と有本社長は語ります。この哲学が、同社の顧客中心のビジネス姿勢を形作っています。

休日の過ごし方とプライベート

休日は家族との時間を大切にし、外出やレジャーを楽しんでいます。特にゴルフを愛好していますが、「練習してもうまくならないけれど好きなものは好き」と笑顔で語ります。

子どもと一緒に過ごし、奥様のサポートをすることも心掛けている有本社長。仕事に打ち込む一方で、家庭とのバランスも大切にすることで、充実した毎日を送っています。

お気に入りのランチスポット

会社周辺は、20年以上前のJR東西線開通を機に工場街から住宅街へと変貌を遂げました。現在では主婦層を中心とした地域に多くの飲食店が増えています。

有本社長のおすすめは、近くにある「パスタ工房」という自家製麺のお店です。コシのあるパスタが特徴で、地元の主婦層にも人気があります。「マクドナルドなどのジャンキーでお金のかからない食事も好き」と話す有本社長は、食事にこだわりがないとのことですが、質の良い地元のお店も大切にされています。

(取材・執筆・編集/JMSO広報部)

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